『まったく最近の探偵ときたら』は面白い？感想・評価・ネタバレから読むべき理由まで徹底解説

たとえば、“推理もの”だと思って読み始めたのに、笑いすぎて電車で読めなくなってしまった。
そんな漫画が、一冊だけある。

『まったく最近の探偵ときたら』。
それは名探偵という名の“おじさん”が、女子高生とともに送る、ある意味“事件だらけ”の日常。

この記事では、実際に読んだ人の感想や評価、面白さの正体、そして話題の第92話の感想・ネタバレまで、静かにまとめてみました。
この作品があなたの記憶に“残る”かもしれない、その理由を探していきます。

『まったく最近の探偵ときたら』とは――探偵の顔をしたギャグ職人

かつて“高校生名探偵”と呼ばれた名雲桂一郎（なぐも・けいいちろう）は、いまや老眼と膝の痛みに悩まされる中年男。
もう事件の現場を走り回るような年ではない——けれど、その推理力だけは、昔のまま。

そんな彼が、強引なまでの情熱を持つ女子高生・真白に“助手”として付きまとわれながら、
どこかユルく、でもどこか正しく、日常の謎に向き合っていく。

でもこの作品、実のところ“ミステリー”というより、“ギャグ”に近い。
しかもただのギャグじゃない。劇画調のツッコミ、文字の暴力、顔芸レベルの表情。
全力でふざけながら、それでもどこか人間の「情けなさ」や「やさしさ」が、そこにある。

たぶんそれは、名雲というキャラクターが、
「もう若くない自分」や「誰にも期待されていない現実」を、静かに受け入れているからかもしれません。

『まったく最近の探偵ときたら』は、探偵の顔をしたギャグ漫画です。
でもその笑いの奥には、「それでも前を向いていたい」という再起の匂いが、ちゃんとあるんです。

【感想】テンポ・顔芸・ツッコミ…“笑える”のに優しい

一言で言えば、「めちゃくちゃ笑える」。
でも、その笑いには、不思議な“やさしさ”がある。
——これが、多くの読者が『まったく最近の探偵ときたら』に抱いた、共通の感想です。

まず特筆すべきは、テンポの良さ。
ボケとツッコミの応酬が絶妙で、どこか昔の漫才を見ているような軽快さがある。
会話の“間”が抜群で、1コマごとに笑いのパンチラインが用意されているような密度。

次に顔芸。
絵柄は基本的に可愛らしいのに、突然現れる劇画調の“真顔”が、毎度不意打ちのように心を撃ってくる。
あの落差がクセになるし、なんなら「顔だけで笑える」話もあるくらい。

そしてツッコミのセンス。
単なる否定や怒りじゃない。「おいおいおい、いまの説明、完全に嘘やん」みたいな、“共犯的な視点”が入っているのが面白い。
読む人を置いていかない、ちゃんと笑いの輪に入れてくれるような言葉選びが光っています。

それでも、この作品の根底にはずっと「やさしさ」が流れている。
誰かをバカにする笑いじゃない。名雲も真白も、みんなちょっと不器用だけど、ちゃんと真面目で、なんだか愛おしい。

だからこそ、読んだ後にふっと心がゆるむ。
それが、この作品の持つ“笑いの質”なのかもしれません。

【面白い？】読者がハマる3つの理由と、好みが分かれるポイント

「これは面白い」と即断する人もいれば、「ノリが合わなかった」と距離を置く人もいる。
『まったく最近の探偵ときたら』は、そういう“好き嫌い”がはっきり分かれる作品かもしれません。

でも、それってたぶん“個性がある”ということ。
ここでは、読者が本作にハマる理由を3つ、そして“合う・合わない”が分かれるポイントも正直にまとめてみます。

① ギャグのテンポとキレが抜群

1ページごとに何かしらのボケや顔芸が仕込まれていて、気づけば笑いながら読み進めている。
特に、名雲の乾いたツッコミと真白の天然ボケのコンビネーションは絶妙。
“テンポの良さ”を重視する人には、たまらないはずです。

② キャラクターが全員ちょっと不器用で、愛せる

“元・名探偵”のくせに生活力ゼロの名雲と、“頭より感情で動く”真白。
どちらもパーフェクトには程遠いけれど、だからこそ応援したくなる。
「この人たち、きっと誰かに似ている」——そんな共感が、物語をあたたかくしてくれます。

③ 予想外の「しんみり」が刺さる

ずっと笑って読んでいたのに、ふとした一言で涙腺を突いてくる話がある。
とくに名雲が過去をちらっと振り返るような場面では、「笑いの裏側にある寂しさ」が効いてくる。
ギャグだけで終わらない深さが、この作品にはちゃんとあります。

▼ 好みが分かれるかもしれないポイント

• ギャグのノリが独特（好きな人は爆笑、合わない人は置いてきぼり）
• キャラの誇張が強めでリアリティ薄め
• ミステリー要素は薄め。推理ものを期待すると肩透かしに感じるかも

つまりこれは、「このノリが好きかどうか」に尽きる作品。
でも、ハマった人にとっては、“一生読み返せる日常ギャグ”になるかもしれません。

【評価】レビューサイトやSNSの声を集めてみた

「この作品、実際どうなんだろう？」——気になるのは、やっぱり“他の人の目にどう映っているか”ですよね。
ここでは、レビューサイトやSNSに寄せられた声をもとに、『まったく最近の探偵ときたら』の“リアルな評価”をまとめてみました。

★ 全体的な評価は？

各種レビューサイトでの平均評価は★4.2〜4.5前後。
突出した絶賛というよりは、「安心して笑えて癒される作品」として、じわじわと支持を集めているタイプです。

▼ 好評なポイント（読者の声）

• 「ギャグがドツボすぎて声出して笑った」
• 「名雲と真白の距離感が、ちょうどいい」
• 「何も起きないけど、それが心地よい」
• 「“再起”を描いてるところが、地味に沁みる」

多くの読者が挙げているのは、“テンポの良さ”と“キャラクターの妙”。
また、「疲れているときに読むと、ちょうどいい」という声も多く、リラックス系作品としての側面も評価されています。

▼ 否定的な声・注意点

• 「ミステリー要素はほぼない」
• 「ギャグのノリが合わないとツラい」
• 「キャラの言動が誇張されすぎててしんどいときもある」

とはいえ、批判的な声は比較的少数派。
むしろ「読み続けるうちにハマってきた」という後追い型の読者が多いのも、この作品の特徴かもしれません。

たぶんこの作品は、最初の一話だけでは判断しにくい。
でも、何話か読むうちに「この空気、好きかも」と感じたら、それはもう“ハマりかけ”です。

【第92話ネタバレ】ラストに仕掛けられた“ズラし”の一撃

第92話は「番外編」として配信されており、本編前後を知らなくても楽しめる構成です:contentReference[oaicite:0]{index=0}。

ストーリーは、かつての名探偵・名雲が“渋いおじさん”として登場するいつもの調子。
女子高生助手・真白が相変わらず助手を名乗り出て、呆れ顔で受け止める中年探偵——。それだけで、作品の空気は十分、“いつもの名探偵ギャグ”です:contentReference[oaicite:1]{index=1}。

ところが、最後に待っているのは、とてつもない“ズラし”。
読者が「え？」と声を漏らすほど唐突なオチで、コメント欄でも「92話ラストびっくりするから注意！」という声が多数見られました:contentReference[oaicite:2]{index=2}。

> 「塊魂からハンターパロに繋げられた所で耐えられなかった…」
> 「衝撃の展開の最後に待つ本当にどうでもいい最低のオチ…！」

:contentReference[oaicite:3]{index=3}

つまり、92話は一見ゆるい日常回のようでいて、そのラストで少し強い一撃を放つ——。それが“意表を突く演出”として、印象深く胸に残るわけです。

こうした“ズラし”の妙が、この作品の魅力のひとつ。「ただ笑って終わる」のではなく、「笑ったあとに記憶に残る」——そんな小さな仕掛けが効いてきます。

まとめ：「ギャグ」と「再起」のあいだにある何か

『まったく最近の探偵ときたら』は、たしかにギャグ漫画です。
テンポのいい会話、豊かな表情芸、そして時折突き刺さる“ツッコミ”たち。
笑える。その一言に尽きます。

でも、この作品を読み終えたとき、胸に残るのは「ただの笑い」ではありません。
年齢を重ねた“かつての名探偵”と、まっすぐすぎる“現在の女子高生”がぶつかり合いながら、
少しずつ日常を更新していく。それは、「再起の物語」でもあるんです。

何かに失敗した人、今ちょっと自分に自信が持てない人、
そういう読者にとって、この作品のユルさと真面目さはきっと沁みる。
笑いながら、「でも、もう一回やってみようかな」と思わせてくれる。

たぶんそれが、この物語が“残る”理由。
そして、それが“面白い”という言葉の奥にある、本当の意味なのかもしれません。

ギャグと再起。その間にある、“人間のいとしさ”のようなものが、
『まったく最近の探偵ときたら』には、ちゃんと描かれています。