『薬屋のひとりごと』は、小説原作をもとにした大人気漫画作品ですが、実は2つの出版社から同時にコミカライズされています。

スクウェア・エニックス版と小学館版、それぞれ連載媒体も作画も異なるため、読者から「どっちを読めばいいの？」という声が多く聞かれます。

この記事では、それぞれの出版社・作画家・連載雑誌の違いや特徴を徹底解説し、自分に合った「薬屋のひとりごと」漫画を見つけるヒントをお届けします。

薬屋のひとりごと漫画は2社で連載！出版社と媒体の違いとは

『薬屋のひとりごと』は原作・日向夏による大人気ライトノベル作品で、現在2種類の漫画版が連載されています。

スクウェア・エニックスと小学館という異なる出版社から、それぞれ別々の雑誌・作画で同時連載されているのが大きな特徴です。

「なぜ同じ作品が2社から？」と疑問を持つ読者も多いため、その背景と違いを詳しく掘り下げてみましょう。

スクエニ版は『月刊ビッグガンガン』で連載中

スクウェア・エニックス版の漫画『薬屋のひとりごと』は、「月刊ビッグガンガン」という青年漫画誌で連載されています。

作画はねこクラゲ氏、構成は七緒一綺氏が担当し、柔らかく美麗な絵柄と、キャラクター同士の掛け合いが魅力の一つです。

こちらは恋愛要素も強めで、壬氏と猫猫のやりとりにドキドキするファンも多いのが特徴です。

小学館版は『サンデーGX（ジェネックス）』で連載中

一方、小学館からは別バージョンの漫画『薬屋のひとりごと～猫猫の後宮謎解き手帳～』が、「サンデーGX」という青年向け雑誌で連載されています。

こちらの作画は倉田三ノ路氏が担当しており、よりシリアスで緻密なミステリー演出に重きを置いた構成です。

後宮を舞台にした事件解決の描写が深く、原作小説の雰囲気を忠実に表現していると原作ファンから高い評価を受けています。

なぜ2社から漫画化？意外な出版背景

実はこの珍しい「2社同時コミカライズ」は、原作が商業出版される前にWebで公開されていたことに関係しています。

原作小説は「小説家になろう」出身作品で、書籍化の際にメディアミックスとして複数の出版社にライセンスが許諾されました。

その結果、スクエニと小学館がそれぞれ独立してコミカライズを進行し、今のように異なる絵柄・演出で「2つの薬屋のひとりごと」が楽しめるという状況になっています。

作画担当と雰囲気の違いを比較！

『薬屋のひとりごと』は、同じ原作を元にしていながら、作画担当の違いによって作品の雰囲気が大きく変わるという珍しい特徴を持っています。

絵柄のタッチやキャラの表情、演出の方向性が異なるため、読者の好みや目的によって選ぶ楽しさがあります。

ここではスクエニ版と小学館版、それぞれの作画スタイルと世界観の違いを比べてみましょう。

スクエニ版は「ねこクラゲ」作画で恋愛描写が強め

スクウェア・エニックス版の作画担当はねこクラゲ氏。

柔らかく繊細な線で描かれるキャラクターは表情豊かで、特に壬氏と猫猫の恋愛未満の距離感に焦点を当てた描写が印象的です。

猫猫のつれない態度に対して焦れる壬氏の表情や、恋の駆け引きのようなやり取りにときめくファンも多く、少女漫画的な演出が好評です。

背景も華やかで、宮廷のきらびやかな世界観が視覚的に伝わるのも特徴の一つです。

小学館版は「倉田三ノ路」作画でミステリー色が濃厚

一方、小学館版の作画は倉田三ノ路氏が担当しています。

こちらはやや硬質な線と落ち着いた画風で、ミステリーや後宮の政治的陰謀を描く重厚感に長けています。

キャラクターの心理描写や状況説明が丁寧で、原作の雰囲気をより忠実に再現していると感じる読者も多数。

壬氏と猫猫の関係も、恋愛というより「信頼関係を築いていく過程」として描かれており、知的な読み応えがあります。

読者の好みで選べる「2つの世界観」

2作品を比較すると、スクエニ版は感情重視、小学館版は論理重視といった印象があります。

キャラクターの可愛さや心の動きを楽しみたい人にはスクエニ版が、事件の謎や人間模様をじっくり味わいたい人には小学館版が向いています。

どちらも完成度が高く、“違うからこそ両方読む価値がある”といえるでしょう。

巻数・最新刊情報まとめ（2025年4月時点）

『薬屋のひとりごと』の漫画は、スクウェア・エニックス版と小学館版で刊行ペースや巻数が異なるため、混乱しやすいポイントの一つです。

ここでは、それぞれのシリーズの巻数・最新刊発売日をわかりやすく整理します。

連載媒体の性質上、更新タイミングにも違いがありますので、最新話を追いたい方はチェック必須です。

スクエニ版（作画：ねこクラゲ）の最新刊情報

スクエニ版（ビッグガンガン連載）は、現在第14巻まで発売中です。

最新刊は2024年12月25日に発売された第14巻で、物語は後宮での陰謀と壬氏との関係がさらに深まる注目の展開が描かれています。

更新は月刊誌『月刊ビッグガンガン』にて連載されており、比較的ゆったりとした刊行ペースです。

小学館版（作画：倉田三ノ路）の最新刊情報

小学館版（サンデーGX連載）は、第17巻まで発売中です。

最新刊は2025年2月19日発売の第17巻で、宮中の医術や政治的駆け引きが中心の重厚な展開が続いています。

更新は『サンデーGX』にて定期連載されており、スクエニ版よりややハイペースで単行本が刊行されている印象です。

両作品の巻数・発売日一覧（簡易比較表）

同じ原作を描いていても、進行のペースや展開タイミングに差があるため、両方追っている読者は混同しないように注意が必要です。

どちらか一方だけを読んでいる場合でも、巻数の違いを理解しておくと混乱せずに済みます。

どっちを読むべき？読者タイプ別おすすめ

『薬屋のひとりごと』の漫画は、2社から同時連載されている珍しいケースです。

どちらも原作に基づいた正規の作品ですが、作画の雰囲気や描写の方向性が大きく異なるため、読者の好みによって“向いている”バージョンが違うのも面白いポイントです。

ここでは、あなたに合った『薬屋のひとりごと』漫画を選ぶための目安を紹介します。

キャラ重視・恋愛が好きならスクエニ版

壬氏と猫猫の関係性にキュンとしたい！そんな人におすすめなのがスクエニ版（作画：ねこクラゲ）。

表情豊かなキャラクター、テンポの良い会話、ほんのり恋愛要素が漂う演出が魅力です。

ストーリーよりもキャラのやりとりや「距離感の変化」を楽しみたい方は、まずスクエニ版から読むと満足度が高いでしょう。

事件解決・原作再現重視なら小学館版

後宮での事件や謎解きをじっくり読みたいという人には、小学館版（作画：倉田三ノ路）が断然おすすめ。

原作小説に近い構成で、薬学・医学・宮中の制度や階級関係を丁寧に描写しています。

猫猫の知識や観察力が事件をどう解いていくのかに焦点を当てた構成は、知的に物語を楽しみたい読者にぴったりです。

どちらも読むのがベスト？違いを楽しむ読み比べ

両方の作品はそれぞれ違う魅力を持っているため、「読み比べ」をするのも一つの楽しみ方です。

同じ場面でも描写の角度が異なるため、2つの視点から猫猫の人物像や壬氏の言動を深掘りできるのが面白さの一つ。

どちらから読んでも問題ありませんが、恋愛寄りならスクエニ版、事件寄りなら小学館版から始めると、より作品に入り込みやすくなるでしょう。

薬屋のひとりごと漫画の出版社と連載の違いまとめ

『薬屋のひとりごと』は、スクウェア・エニックスと小学館の2社から同時にコミカライズされているという、非常に珍しい作品です。

どちらも原作小説をベースにした正規ライセンス作品ですが、作画・演出・雰囲気・連載媒体に明確な違いがあり、まったく別の読み味が楽しめます。

最後に、それぞれの特徴を一目でわかるように整理しておきましょう。

スクエニ版はキャラ重視・ライトに楽しみたい方に、小学館版はミステリーや宮廷ドラマを深掘りしたい方におすすめです。

もちろん、両方読めば2倍楽しめるのもこの作品の魅力。“同じ物語なのにここまで違う！”と感じられるはずです。

どちらの『薬屋のひとりごと』も、高い作画力と丁寧な構成で読みごたえ抜群なので、まずは気になった方から手に取ってみてください。